三菱造船、「海洋脱炭素」へ新組織 エネルギー変革期で事業開拓を加速
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技術開発・市場調査・事業戦略を集約

三菱造船は、2022年2月1日(火)付で「海洋脱炭素グループ」を新設したと発表した。2050年のカーボンニュートラル社会実現に向けた三菱重工グループのエナジートランジション戦略に呼応する格好で、「世界的な動向や市場ニーズに即応できる体制を整備」したとしている。
同組織に技術開発、市場調査、事業戦略の立案から実行までの機能を集約させることで、造船事業で培ってきた技術を活用し、脱炭素分野の技術開発と新事業創出を加速。「海洋分野のカーボンニュートラル社会実現に向けた世界の動向や市場ニーズに即応することを目指す」という。
三菱重工と三菱造船は1884(明治17)年の創業以来、5000隻超の建造実績を誇る。石炭運搬船、原油タンカー、液化ガス輸送船(LPG・液化石油ガス輸送船、LNG・液化天然ガス輸送船)など、エネルギーキャリア建造の分野でも新技術を積極的に導入してきた。
近年の脱炭素化の流れでは新たなエネルギーへの転換が求められており、グローバルトレードを前提としたアンモニアなどのクリーンエネルギー輸送船や、化石燃料の静脈物流としての液化CO2輸送船(LCO2船)に対する需要増が見込まれている。
これを受け三菱造船は、三菱重工グループが保有する陸海における多種多様な製品・技術との連携を図ることで、脱炭素を志向する顧客らに対して同社の技術や製品、システムなどを総合的に提案する好機と捉える。
同社の北村徹社長は「今般の海洋脱炭素グループの新設により、三菱造船が保有するオイル & ガス技術を利用・応用した新規事業開拓を加速し、従来の造船技術とあわせて“両利きの経営”を目指す」と話している。
三菱重工グループのエナジートランジション戦略において三菱造船は、船舶・海洋の分野から目指す成長戦略「海洋Future Stream」を掲げている。