屋根付き当然? ロンドンの「バス停」が日本より一歩も二歩も先を行っている理由
ロンドンのバス停には、ほぼ屋根が付いている。ところどころにしか付いていない東京と比べて、優れているのではないか。
バス停の屋根は基本中の基本

バス停に屋根があるかどうかだなんて、たいした問題ではないと感じる人もいるかもしれない。しかし、雨、日差し、風、暗闇を避けられるというのは、文化的な社会に必要なことではないだろうか。
ロンドンでは、ある程度までの雨は傘をささずにフードでしのぐし、夏場は日焼けをよしとする文化から日傘をさす習慣はないが、それでもバス・シェルターがある(東京の方がはるかに必要だと思われるのに)。
ロンドンのバスは、低所得者層の利用が多いといわれている。地下鉄では都心部で平日のラッシュ時の乗車料金は2.8ポンド(約507円)に対し、バスは1.75ポンド(約317円)だ。たとえ地下鉄よりだいぶ時間がかかっても、バスで通勤する人々もいる。そういった層の人権が守られているという見方もできる。
実はバス停について言及している国際機関がある。国際協力機構(JICA)だ。JICAは、
「女性が安全にバスを待つことができるバス停の設置」
が、女性が活躍していくのに必要だとしている(『JICA 事業におけるジェンダー主流化のための手引き【都市開発・地域開発】2023年1月改訂』)。