ベースは自衛隊車両! トヨタ「メガクルーザー」は真のヘビーデューティモデルだった【連載】90’s ノスタルジア・オン・ホイールズ(9)
- キーワード :
- 自動車, トヨタ自動車, 90’s ノスタルジア・オン・ホイールズ
開発コンセプトと実績

実はこのメガクルーザー、筆者(矢吹明紀、フリーランスモータージャーナリスト)には特別な思い出がある。
それは発売直後に実施されたメディア向け試乗会でのこと。場所はその車両の特殊性を鑑み、トヨタの東富士研究所内のオフロードテストコース。用意されていた試乗車はメガクルーザーが2台と高機動車が1台。筆者の番に回って来たのは幸運にも高機動車だった。
この大柄なクルマを狭いオフロードコースでどう扱うか一瞬悩んだものの、走りだしてしまえば粘り強いエンジンと優れた足回りで何の不安もなく難しいセクションをこなすことができた。途中にはタイヤの半分以上が埋まるぬかるみセクションもあったのだが、そんなシチュエーションも難なくクリアしてみせたのには正直驚いた。
その後、別の機会ではメガクルーザーの方を公道上でもステアリングを握ってみたのだが、全幅2mを越えるサイズがまるで4tトラックの様だったことを除けばそのドライブフィールには特に不安を覚える箇所もなかった。誠によくできたオフロード4WDだったといってよい。
メガクルーザーは発売直後こそ、富裕層の一般ユーザーが興味本位で購入した例もあったといわれている。しかし基本的にはあくまで官公庁需要を想定したものであり、予算の執行とともに行き渡るべきところに行き渡ると、その後の需要は途絶えることとなった。
販売されたのは2001(平成13)年12月まで。発売開始から終売まで民間向けに販売された台数はわずか133台だったといわれている。令和の現代では、民間に販売された個体に遭遇する機会などほぼないという“激レア”な市販車の筆頭でもある。
ただしこれはメガクルーザーのみの数字であり、陸上自衛隊向けの高機動車とそこから派生した新型の1 1/2tトラック、民間向けおよび消防庁の救助工作車などに使われた高機動ダイナなどを含めると高機動車だけで
「3000台以上」
という生産台数を記録。その生産は消耗した車両の補充という形で現在も続いている。