電車のつり革「手が届かない」 SNSで女性の不満爆発、ユニバーサルデザインとはかくも難しいものか

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私たちが普段何気なく使っている電車のつり革。そんなつり革にもさまざまな問題がある。

つり革の高さの問題

東京さくらトラム(画像:写真AC)
東京さくらトラム(画像:写真AC)

 例えばJR東日本で広く使われているE233系という車両では、つり革の高さは

・一般席:163cm
・優先席:158cm

に設定されている。

 160cmの筆者の場合、一般席も優先席もつり革は利用できる。しかし180cm以上の通路つり革は使えない。つり革だけでなく、網棚(173cm)を使うのも厳しいときがある。160cmは女性の平均身長を少し超えたくらいである。つまり

「女性の半分以上が利用できない」

ということになる。180cm以上の通路つり革については、電鉄会社側も女性の利用は想定していないだろうが、電車が混んでいると、自身の身長に合ったつり革のエリアまでたどり着けないことが多いのだ。

 通路つり革は極端だとしても、SNSでは

「つり革届かない」
「つり革なんで高いの?」

といった女性の書き込みが多く見られる。

 鉄道総合技術研究所の実験では、つり革の高さは、身長の105%を超えると「高すぎる」ことがわかっている。160cmの105%は168cmである。168cm以上のつり革は、20~59歳の女性の80%以上が推奨範囲外となってしまう。

 推奨範囲内に収まる割合から見ると、60~89歳の女性にとってはつり革の高さは150~152cmがベストで、20~59歳の女性にとっては152~155cmがベストとなる(つり輪の長さが27.5cmの場合)。

 よって、東京さくらトラムの低い方のつり革は、国のガイドラインよりも低いが

「女性に最適」

なことがよくわかる。

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