オスプレイ墜落で遂に国内初の死者 「墜落」を「不時着水」にすり替えた政府は本当に原因究明できるのか?

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屋久島空港付近、陸から近い海上にオスプレイが“墜落”した。今回の事故は空港への緊急着陸を試み、その途上で制御を失って海面に“墜落”したのであって、緊急着水を試みていたわけではない。

屋久島沖に“墜落”

オスプレイ(画像:写真AC)
オスプレイ(画像:写真AC)

 11月29日14時20分頃、鹿児島県の屋久島空港付近、陸から近い海上に米軍のオスプレイが“墜落”した。海上保安庁などによる救助活動が行われているが、当初8人と発表されていた乗員数は、後になって6人に訂正され、翌30日には8人に再訂正された。救助された乗員ひとりは死亡。これは国内初の死亡事故である。

 在日米軍では海兵隊と空軍がオスプレイを運用しているが、日本の関係当局によると事故機は米国空軍所属のCV-22で、他の2機とともに山口県最東部にある岩国基地を出発して沖縄県の嘉手納基地に向かう途中だったという。

 国土交通省の関係機関によると、事故機は“墜落”の直前に屋久島空港への緊急着陸を要請している。目撃した住民の話では、屋久島空港に着陸するように見えたが、左エンジンから

「オレンジ色の炎を出しながら横転して」

海面に着陸の直前、“墜落”したようだ。

頻発する問題

屋久島の位置(画像:OpenStreetMap)
屋久島の位置(画像:OpenStreetMap)

 屋久島は鹿児島県の大隅半島から南南西約60kmに位置し、日本本土と沖縄の間にある南西諸島のなかでは北端に近い。

 沖縄と本土の間を飛ぶ米軍のヘリコプターは、途中での不時着に備えて南西諸島の付近を結ぶルートで飛行するが、今回の事故機もその経路上で“墜落”したものだ。

 九州と沖縄の間にある民間空港などでは、これまでも沖縄と本土間を飛ぶ米軍ヘリコプターやオスプレイの不時着陸が相次いでいる。とりわけ九州と沖縄の中間にある奄美空港には、2024年9月だけでも延べ9機が着陸しており、その“異常性”が際立っている。

 近年、防衛省や米軍はこれらを

「予防着陸」

などと呼んで問題を矮小(わいしょう)化しようとしているが、目的地に向かう途中で機体不具合のために着陸していることが

「問題の本質」

であり、パイロットが緊急事態を宣言したかどうかは問題ではない。

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