日本の貨物航空会社はなぜ失敗するのか? 佐川急便G「ギャラクシーエアラインズ」の記憶、モーダルシフト推進で再考する
モーダルシフト(自動車による貨物輸送を、環境負荷の少ない鉄道や船舶に転換すること)の流れにおいて、航空輸送の必要性はますます高まっている。にもかかわらず、過去においては、国内線で貨物専門をうたった航空会社は一様に失敗に終わっている。この背景には何があるのか。
北九州空港の成功

では、なぜ佐川は独自に機材を保有し運航にこだわったのか。その理由は
「安定供給」
の確保にあった。
佐川急便は顧客が特定の集荷と配達の時間を好む傾向にあるとし、この需要に応えるためには自社での航空機運用が必須であると考えていた。旅客輸送を優先する既存の航空会社では、貨物の積み残しが発生する恐れがあるため、時間厳守の宅配便サービスには不安要素が残ると分析していた。このため、自社で機材を運用し「安定供給」を実現することを目指したのである。
ギャラクシーエアラインズの参入路線のなかで、特に注目が高かったのは2006年3月に開港した北九州空港である。貨物便の拠点化による需要拡大を目指していた同空港は、同社の路線就航に合わせて約2億円を投じて専用の荷さばき施設を整備している。
大手通販・ジャパネットたかたの貨物を請け負ったことが呼び水となり、北九州空港と各都市を結ぶ便は同社のドル箱となった。『朝日新聞』2007年11月1日の記事では
「就航1年のギャラクシーの貨物取扱量(見込み)は羽田~北九州が2800トン、北九州?羽田が2000トン。北九州空港の全取扱量の約7割を占める」
と記している。
さらに、同社は2007年には羽田~新千歳、関西~新千歳(ちとせ)間にも新たな路線を開設し、同年の貨物輸送量は3万tを超える成果を上げた。
しかし、業績は好調であった一方、コストは予想を上回って増大していた。経年機を導入したことで、整備費用が増加。これに加えて、航空燃料の価格高騰も痛手となった。この時期の価格高騰は著しく、旅客機のサーチャージ額でみると欧米線では2006年2月に8000円だったものが2008年7月には2万8000円にまで上昇している。