日本の貨物航空会社はなぜ失敗するのか? 佐川急便G「ギャラクシーエアラインズ」の記憶、モーダルシフト推進で再考する
モーダルシフト(自動車による貨物輸送を、環境負荷の少ない鉄道や船舶に転換すること)の流れにおいて、航空輸送の必要性はますます高まっている。にもかかわらず、過去においては、国内線で貨物専門をうたった航空会社は一様に失敗に終わっている。この背景には何があるのか。
業界提携と効率化の重要性

それでも、物流業界の将来像を考える際、モーダルシフトの推進は避けて通れない課題であり、空輸はそのなかで欠かせない役割を担っている。海運の時間的制約や鉄道の運行リスクを考慮すれば、航空輸送の重要性はさらに高まると予想される。
ヤマトホールディングスがJALとの提携を選択し、自社保有の機材ではなく、既存の航空インフラを利用した輸送サービスを計画している点は、過去の教訓を生かす試みといえるだろう。
空輸の必要性は一定しているが、国内輸送のみでは企業の存続が難しいという経験則に基づき、より大きなネットワークのなかでの役割分担が求められている。
このように、過去の事例は、単独で高コスト構造を持つ貨物航空会社が市場で生き残ることの難しさを示している。
また、業界内での提携やシナジー(事業間の相乗効果)を通じた運営の効率化が、今後の空輸分野の発展において重要であることを教えている。
ヤマトホールディングスの戦略は、この教訓に基づいており、提携を通じてリスクを分散し、サービスの質を維持することで、航空輸送の未来を担う一翼を担うことになるだろう。