米国テキサスの高速鉄道が「新幹線方式」を採用したワケ そもそも海外進出はなぜ難航したのか

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世界最大の経済大国である米国には、日本の新幹線のようにほとんどの区間で高速度走行が可能な本格的な高速鉄道は、今のところ全く存在していない。そこで注目されているのがテキサス高速鉄道だ。

新幹線はなぜ海外で作られないのか

連邦鉄道局のウェブサイト。「ダラス・ヒューストン間高速鉄道 - ヒューストンからダラスへの旅客サービス」との見出し(画像:連邦鉄道局)
連邦鉄道局のウェブサイト。「ダラス・ヒューストン間高速鉄道 – ヒューストンからダラスへの旅客サービス」との見出し(画像:連邦鉄道局)

 新幹線の海外進出が難航している主な理由として、

・高コストである
・日本独自の基準で構成されている

ことなどが挙げられる。

 新幹線は在来の鉄道と互換性を持たないシステムだ。専用の線路を新たに作ることを前提としていて、在来線に線路を接続して乗り入れることを基本的には行わないので、列車の運行パターンはシンプルである。

 列車の速度を自動的に制限速度以下にコントロールする自動列車制御装置(ATC)の採用によって、列車同士の衝突事故の発生確率を極限まで下げている。踏切がなく、線路内に人や動物が簡単に立ち入れないようにもしているため、人や自動車などの線路への侵入や衝突事故といった事態が極めて起きづらい。

 こういった要因で、新幹線は事故が発生する可能性が低く、安全であるとともに定時性も高いのだ。その反面、在来の鉄道への乗り入れを前提としていて、既存の設備を活用できる欧州方式の高速鉄道と比較して、どうしても高コストになってしまう。

 それでは、なぜテキサス高速鉄道では日本の新幹線方式を採用できたのだろうか。まず高コストである問題だが、さほど問題視されなかった。おそらく欧州方式を採用したとしても、ほとんどの区間で新線を建設しないとならないのだろう。

 ところが、コストの問題をクリアできたとしても、大抵の国には、その国の鉄道に関する安全基準がある。新幹線は60年間近くもの間、重大事故を起こしたことがなく安全だといくら海外で主張しても

「そうはいっても、新幹線の安全性は国際的に認められた基準で証明されていない」

といわれてしまえば終わりなのだ。これは新幹線に限らず、日本の鉄道システムを海外に輸出する際に共通する問題でもある。

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