EV製造に欠かせない「黒鉛」 自動車メーカーが調達難におびえる中国支配の現実、“脱中国”はまだ先の夢か

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中国政府は10月20日、EV用のリチウムイオン電池の材料である黒鉛(グラファイト)について、12月1日から輸出規制を強化すると発表した。今後どうなるのか。

中国の黒鉛支配

EVのイメージ(画像:写真AC)
EVのイメージ(画像:写真AC)

 中国政府は10月20日、電気自動車(EV)用のリチウムイオン電池の材料である黒鉛(グラファイト)について、12月1日から輸出規制を強化すると発表した。

 国家安全保障に関わる戦略物資や技術の輸出を規制する「輸出管理法」などに基づく措置だ。企業が中国から黒鉛を輸出するには商務省の許可が必要になる。

 中国政府の発表に先立ち、欧州連合(EU)欧州委員会は10月13日、不当な補助金の恩恵を受けているとして、中国から輸入されるEVに対する関税導入の是非について調査を始めていた。

 また10月17日には、米国が中国への先端半導体の輸出規制を強化していた。今回の中国政府による輸出規制は、こうした欧米の動きへの対抗措置とも見られている。

 黒鉛はリチウムイオン電池の負極材に使われている。EV1台の電池パックには平均50~100kgの黒鉛が必要とされている。

 今回の措置により、各国の自動車メーカーが黒鉛の調達難に陥る可能性も出てきた。黒鉛生産で、中国は圧倒的なシェアを握っているからだ。米地質調査所(USGS)によると、中国は黒鉛の世界生産の

「65%」

を占めている。特に車載電池向け負極材では、中国企業が

「8割以上」

のシェアを握っているとされる。

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