EUが「トヨタ潰し」を画策? モータージャーナリストの私がホリエモンの“暴走主張”に同意できない理由

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教育系ユーチューバーとして人気の中田敦彦氏が先日、自身のチャンネルで堀江貴文氏の著書をベースに自動車産業の未来について語った。その妥当性を検証する。

トヨタが影響を受けた「ギガキャスト」

2023年9月25日発表。主要メーカーの電気自動車(BEV/PHV/FCV)販売台数推移(画像:マークラインズ)
2023年9月25日発表。主要メーカーの電気自動車(BEV/PHV/FCV)販売台数推移(画像:マークラインズ)

 ちなみにEUの2035年に向けての方針は現時点でも流動的であり、その行方は混沌(こんとん)としている。EUとて、この件については決して一枚岩ではないのである。

 そもそも対象となっているのは新車のみであり、圏内で流通する中古車に関しての縛りは一切ない。そうした状況を鑑みれば、EUの施策によってトヨタの経営が傾くことなどあり得ないだろう。

 誤解のないように付け加えるのであれば、未来に向けての陸上での輸送手段の流れは

「電動化一択」

というのは正しい。だからこそトヨタも2030年までに新開発のEVを30車種投入するという積極政策を取ることを発表したのである。しかし輸送手段の電動化が完全に達成されるのは今後10年の話などではない。ましてやトヨタ一社だけを取り上げてその去就をうんぬんするような話でもない。

 余談だが、テスラが先鞭を付けた技術に対して、トヨタが最も影響を受けたのはシミュレーションでもソフトウエアでも電池でもなく、主要シャシーコンポーネンツの構造を大幅に簡略化できる大物部品の一体成形技術である

「ギガキャスト」

だったというのは周知の事実である。実際、発表済みのトヨタの次期シャシーコンポーネンツにはギガキャスト技術が反映されている。

 今回の動画、未来に向けての問題提起という意味では非常に興味深かった一方、結論はやや“暴走気味”だったのでは――というのが、モータージャーナリストである筆者の正直な感想である。

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