クルマ購入時、ディーラーがやたらと「延長保証」を勧めてくる理由
ディーラーでクルマを購入する際や、車検入庫の際、ユーザーはメーカー保証を延長できる「延長保証」への加入を勧められる。どんなメリットがあるのか。
ディーラー側のメリット

一方、延長保証を販売するディーラー側には、どのようなメリットがあるのか。保証期間の延長は負担を増やすように思われがちであるが、その実態を紹介する。
●ユーザーを囲い込める
延長保証の適用条件のひとつに、「ディーラーでの車検入庫」がある。つまり、延長保証の対象となるためには、あるいは新車の延長保証が有効となるためには、ディーラーで整備を受けなければならない。
つまり、ディーラーは、新車販売による利益に加え、整備入庫による売り上げも得られる。これは、街の整備工場に顧客を奪われることを防ぐという意味で、大きなメリットである。
●無条件でクルマを修理できる
古いクルマで故障が見つかった場合、見積もりが作成され、判断はユーザーに委ねられる。ユーザーが延長保証に加入している限り、手続きは省略され、部品の手配や交換ができる。また、後述するが、請求はディーラーの負担ではないため、売り上げとして計上できる。
●クルマの修理費用はディーラー負担ではない
延長保証の対象外でも、メーカーの保証期間内なら、修理のための部品代や工賃をメーカーに請求できる。したがって、ディーラーが自己負担する必要はない。
また、延長保証の場合、請求は提携損保会社を通じて行われるため、ディーラーの懐を痛める心配もない。つまり、延長保証に加入するユーザーにとっては、負担なく修理でき、ディーラーにとっては、負担なく販売できるというWin-Winの関係になるのだ。