買ったばかりの新車なのに、走行距離が「0km」じゃないワケ
待ちに待った新車の納車。簡単な説明を受け、運転席に乗り込むと、総走行距離を示すオドメーターが「0km」になっていないことに気づく。新車なのに、なぜ少しでも走っているのだろうか。
ディーラー到着後も数km走行

完成したクルマは工場を出るときに数km走行し、新車を船やクルマに積んで輸送した後、ディーラーに納車される。実際にはその間、多少とはいえクルマは自走するので走行距離は伸びる。
一般的なディーラーの場合、ディーラーオプション(販売店装着オプション)は、クルマを販売した店舗ではなく、納整センターと呼ばれる集中工場で部品の取り付けや最終チェックが行われる。この敷地内を走行する場合、当然ながらクルマは自走することになり、走行距離は多少長くなる。
ようやく店舗に到着したクルマは、納車前に洗車や準備をしなければならない。その準備のひとつが給油だ。これは販売会社や店舗の方針によってさまざまで、ガソリン携行缶で事前に給油する店もあれば、営業スタッフが近くのガソリンスタンドまでクルマで行って給油する店もある。
前者の場合、危険物であるガソリンを扱うため事故防止のために行わないディーラーも多いので、基本的には後者と考えていいだろう。給油のためにガソリンスタンドまで移動するため、走行距離は必然的に伸びることを理解しておく必要がある。
クルマは数百万円もする高価な買い物である。それだけに、できるだけ他人に触られず、きれいな状態で納車されたいと思うのが人情というものだろう。しかし、高額であるからこそ、クルマは何人もの人の目と手によってチェックされていることを忘れてはならない。
これから新車を納車される人は、このような背景のなかで自分のクルマが納車されたのだと思うと、感慨も数割増しになるのではないだろうか。