買ったばかりの新車なのに、走行距離が「0km」じゃないワケ

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待ちに待った新車の納車。簡単な説明を受け、運転席に乗り込むと、総走行距離を示すオドメーターが「0km」になっていないことに気づく。新車なのに、なぜ少しでも走っているのだろうか。

高級車ほどテスト走行が長いワケ

高級車のイメージ(画像:写真AC)
高級車のイメージ(画像:写真AC)

 高性能で高級なクルマほど、出荷時の走行距離が長い場合がある。

 これは、国が定める基準とは異なる基準をメーカーが設定し、完成後にテスト走行を重ねて基準をクリアするように調整しているためである。

 例えば、日産のフラッグシップスポーツカーであるGT-Rは、工場出荷前にエンジン、トランスミッション、クラッチの合わせ込みやブレーキ焼き入れ走行を全車で行っている。時速300kmを超えるほどの高性能スペックを誇るだけに、入念なテストが必要なのだ。

 筆者(宇野源一、元自動車ディーラー)はGT-Rの販売や整備ができるハイパフォーマンスセンターを併設した店舗で働いていたが、持ち込まれた新車のGT-Rは30kmほど、なかには60kmほど走ったものもあった。走行距離が多ければ多いほど、調整やテストが行われた回数も多いのだ。

 だから、新車の走行距離が0kmとは限らない。新車で納車されたときに走行距離が数十kmだったとしても、入念なテストと調整が行われていることを信じてほしい。

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