東京モーターショー改め「ジャパンモビリティショー」 4年ぶり復活のカギは「コミケ」に学べ
4年ぶりに東京ビッグサイトで開催される「ジャパンモビリティショー」まで、2か月を切った。そのあるべき姿とは。
モビリティショーのあるべき姿

一方、コミケで販売される日本の同人誌市場は、2015年に700億円を超え、2022年度には880億円と推計されている。一見、頭打ちに見えるが、よく見ると、ブースでよく見かけるようになった「VTuber」市場は、2023年度には前年比153.8%増の800億円になると推計されている(市場規模は矢野経済研究所調べ)。
いわば、コミケには「FUTURE」と「DREAM」が詰まっている。出展者も一般来場者もそのことを熟知しているので、SNSでの拡散だけでも十分すぎる集客力があると見ていいだろう。
例えば、前述のジャパンモビリティショーで開催される「次世代モビリティを創るスタートアップ」の提案は、投資対効果の検証等、一定の準備が必要だろう。さらなる施策は9月に発表される予定だが、「FUTURE」「GREEN」「DREAM」の三つをキーワードにしたプレゼンテーション動画をもっと広く公募してもいいのではないか。
仮にプレゼンテーション動画を募集するのであれば、SNSの人気スコアで上位のものだけを最終審査することで、選考・運営を効率化する方法もあるかもしれない。優秀な提案に予想以上の賞金が出れば、SNS上での応募の活発化、拡散も期待できる。
この夏、筆者は40年ぶりにコミケを訪れた。午前10時半の開場と同時に、「FUTURE」「DREAM」を期待する大きな拍手がうねるように巻き上がるのを、驚きを持って体感した。
猛暑を上回る若者の熱気のなかで、「来場者と一緒に、本当に目指したい未来を考える場」を掲げるジャパンモビリティショーのあるべき姿を垣間見たような気がした。