東京モーターショー改め「ジャパンモビリティショー」 4年ぶり復活のカギは「コミケ」に学べ

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4年ぶりに東京ビッグサイトで開催される「ジャパンモビリティショー」まで、2か月を切った。そのあるべき姿とは。

復活したコミケ

ジャパンモビリティショーのウェブサイト(画像:日本自動車工業会)
ジャパンモビリティショーのウェブサイト(画像:日本自動車工業会)

 一方で、広告予算をほとんどかけず、SNSで拡散するだけで、1日10万人以上を簡単に集客できるイベントもある。毎年夏と冬に開催されるこのイベントは、自動車メーカーが最も獲得したい10代後半から20代を中心に集客を見込んでいる。

 それはコミックマーケット(以下、コミケ)で、1975(昭和50)年に虎ノ門の日本消防会館会議室で誕生した。「X」(旧ツイッター)では、開催回数も含めて「C102」などと略されるのが一般的なようだ。

 来場者は男性だけでなく、2010年の調査によると女性の来場者比率は約35%。自動車メーカーにとっても、女性をターゲットにすることが課題である。

 国の威信をかけた東京モーターショー。自主的なボランティア精神で2次創作の同人誌を販売する場として小規模に始まり、2018年まで入場無料だったコミケ。このふたつを関連づけることに違和感を覚える人も多いだろう。

 ただ、コミケは第1回から6年後の1981年に晴海の東京国際展示場で開催され、その後、1989年、1990年の3回だけ幕張メッセでの開催を経て、晴海に戻り、1996年夏に東京ビッグサイトへと会場を移した。東京モーターショーとは歴史も開催期間も異なるが、東京モーターショーと同様、日本の三大コンベンション会場で開催されてきたという事実は認識しておきたい。なお、コミケのスタッフは、救護班を含め一般公募を中心に3000人以上いるといわれている。

 コロナ禍や東京オリンピック・パラリンピックの影響で、1回の中止と来場者制限を設けた3回の開催を経て、2023年の夏のコミケ、通称「C102」は制限なく一般公開され、混乱も少なく閉幕した。2日間で延べ26万人が来場し、盛況のうちに幕を閉じた。見事に“再起動”に成功したといえるだろう。

 北米サンディエゴで開催される「コミコン・インターナショナル」は、1日10万人以上を動員し、世界的な映画ビジネスの場とされている。そのイベント匹敵するといわれるコミックイベントが復活したのである。

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