「私は過大評価されている」 優秀な女性社員の自己肯定感を蝕む「インポスター症候群」という現代病理
女性の活躍が進まないのは、心理的要因によるものではないかと考えられている。そのひとつとして指摘されているのが、「インポスター症候群」だ。
日々「小さな攻撃」を受ける女性
なぜ女性は自己肯定感が低いのか。
大きな要因のひとつは、マイクロアグレッション(日常の小さな行動や言葉による攻撃)である。その言動を行った本人は悪意がなく無自覚だが、繰り返し小さなダメージを相手に与える。
例えば、
・女性でも頑張れば評価される(女性はあまり評価されない)
・いつも『彼』を三人称に使っている(メインは男性で女性であることは例外)
・女性なのにキャリア志向が強い(女性はあまりキャリア志向を持つべきではない)
など。
こうした「小さな攻撃」は女性の自己肯定感を傷つける。
「無意識の偏見」を知る必要性
自己肯定感が傷つけられれば、先に述べた「インポスター症候群」になっても不思議ではない。
・自分は女性だから本当はそれほどでもないのにげたをはかせてもらって高い評価になっているのだ
・その証拠に日々の何気ない言動で、本音が漏れ出ているではないか
と思っているのだ。
表面的に何をいおうと、人は言葉よりも行動で人を判断する。だから、私たちの周りにいる(主に)男性が無意識にやってしまいがちなマイクロアグレッションをいかに少なくするかがポイントになる。
そのためには、逆説的ではあるが、自分がどのような無意識の偏見(アンコンシャス・バイアス)を持っているかを知ることが必要である。