「私は過大評価されている」 優秀な女性社員の自己肯定感を蝕む「インポスター症候群」という現代病理

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女性の活躍が進まないのは、心理的要因によるものではないかと考えられている。そのひとつとして指摘されているのが、「インポスター症候群」だ。

徐々に改善されているはずの環境

男女平等のイメージ(画像:写真AC)
男女平等のイメージ(画像:写真AC)

 そもそも203030は、以前の202030(2020年までに指導的地位に占める女性の割合を30%とする目標)がまったく達成できなかったために断念したのを再スタートさせたものである。

 202030が達成できなかった理由は以下の通りである。

・強制力ある法的なものではなかった
・そもそも女性の採用数が少ない(総務省「労働力調査」などを見ると、女性の正社員比率は男性が8割程度に比べて5割程度と少ない)
・出産などのライフイベントを抱える女性に適した働き方になっていない

 しかし、一連の「働き方改革」やコロナ禍により、リモートワークが進み、労働時間は減少している。

 さらに人手不足から女性の採用も増えており、環境は徐々に改善されているはずだ。それなのに、結果は芳しくない。

物理的要因だけでなく、心理的な原因も

 そのため、女性の活躍(ここでは象徴的に女性の管理職登用などを取り上げている)が進まないのは、より心理的な要因によるものではないかと考えられている。

 その理由のひとつとして指摘されているのが、「インポスター症候群」(詐欺師症候群)と呼ばれる自己肯定感の低さである。

「詐欺師」というと刺激的に聞こえるかもしれないが、要するに

「自分はたいした能力もないのに、周囲から高く評価されている。まるで詐欺師のように人をだましているようでつらい」

というものだ。本当に結果を出しているし、その能力もあるのに、そう感じてしまうという。

 実際、2022年に発表された福井県の鯖江市の調査によると、20代から50代の女性は男性よりも自己肯定感が低いという結果が出ている。

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