新幹線「地方開業」がもたらす恩恵と課題 美談に祭り上げられる“経済波及の実態”とは

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2000年以降、新幹線は次々と地方に乗り入れ、地方の観光地へのアクセスが向上した。その結果、観光客の流入が増え、観光産業は活況を呈している。

地方への新幹線開業の波と効果

2015年に長野~金沢間が開業した北陸新幹線(画像:JR東日本)
2015年に長野~金沢間が開業した北陸新幹線(画像:JR東日本)

 日本の鉄道インフラは、新幹線の地方開業によって大きく変貌を遂げた。2000(平成12)年以降、新幹線は次々と地方に乗り入れ、地方の観光地へのアクセスが向上した。その結果、観光客の流入が増え、観光産業は活況を呈している。

 日本政策投資銀行の調査によると、北陸新幹線が金沢まで延伸開業した際、2016年度の利用者数は開業前と比べて約3倍の約926万人に上ったと報告されている。

 また、九州経済調査協会によると、西九州新幹線が開業すると、コロナ禍の影響はあったものの、観光客の増加により九州全体の来訪者数は前年度比39.6%増加。地域経済にも好影響を与えたとされる。

 しかし、新幹線開業と観光地の活性化は必ずしもイコールではなく、さまざまな要因に影響される。

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