秋田新幹線「被災」で見えた、公共交通“効率至上主義”への疑念 これからは競争より協力の時代である
公共交通機関には「冗長性」が必要だ。何かあった場合、ほかの交通機関が協力し、必要な輸送力の確保が大事である。
秋田新幹線の特殊性
7月14日からの豪雨で、秋田新幹線は19日まで運休となった。線路の安全確認が不可能な状態だったため、雨がやんでも運転することができなかったのだ。
安全確認の結果、奥羽本線の大曲~秋田間では、標準軌の秋田新幹線は運転が可能だった。それ自体は幸いなことだ。しかし並走する狭軌の鉄道は、盛り土の流出で運転が不可能な状態になった。
豪雨直後は秋田市内全体で水があふれている状況だった。それゆえに線路の様子を確認することができず、運転の再開に時間がかかった。
秋田新幹線はミニ新幹線で、
「在来線の線路を標準軌にしただけ」
のものであり、ふつうの新幹線とは線路の頑丈さの上ではまったく異なっている。
今回は幸いにして運転こそは可能だったものの、並走する狭軌鉄道では盛り土が流出しており、運が悪ければ秋田新幹線も同様な被害を受けていたはずだ。