鉄道会社・車両メーカーのつながり深い日本 ヨーロッパも同様? 10年が読めない「鉄道メーカー市場」を考える
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特定の鉄道会社とのつながりが深い日本の鉄道車両メーカー。欧州市場の現況はどうか。
先が読めない鉄道メーカー市場

ほんの十数年前までは業界トップ3だった企業が買収によって消滅するなど、この先10年が全く読めない鉄道メーカー市場。
注目すべきは国内市場が一段落後のCRRCがシェアを維持できるか、シェアで2位以下を大きく引き離しているとはいえ、国内の高速列車需要もいずれは頭打ちになることが考えられ、他国への進出が大きなカギを握ることになるだろう。
もちろん、いまだに実現していない欧州市場への本格進出と、同地域の企業買収についても見逃すことはできない。CRRCほどの企業規模であれば、現地メーカーを買い取れば進出の大きな足掛かりとなることは間違いない。
CRRCの脅威に、欧州メーカーが立ち向かうことができるのかも注目だ。中国企業に立ち向かうため、場合によってはアルストムとボンバルディアのような大きな合併や買収が再び起こる可能性も0ではないだろう。欧州にはほかに、急成長している
・シュタドラー
・CAF
といった企業もあるので、こうしたメーカーの動向も見逃せない。
そして日本の日立製作所だが、英国およびイタリア市場で確かな足跡を残した今後、どのような方向性へ進んでいくのか。
英国の高速鉄道2期区間となるHS2向け車両に加え、台湾新幹線(台湾高鐵)用新型車両も東芝との連合で受注した。世界市場でのさらなる飛躍のために、これからが日立にとっての正念場といえるのかもしれない。