「男女平等 = 逆差別」とネットに書き込むオジさん社員に欠けた企業改革精神、「適材適所」論はもはや古すぎる
「男女平等が行き過ぎている」と指摘する男性は、必ずしも女性蔑視者ではなく、むしろ女性に「恐怖心を抱く人物」だという。日本での改革はどこまで進むか。
男女平等への過渡期

ところで“逆差別”に悩むのは男性だけではない。女性だから優遇されたのではないかと考え、自己評価が低くなる女性もいる。
これらのことが起こるのは、男女平等を進めている過渡期特有のものである。もっと進めば、悩む人はいなくなるはずである。
先日、スペインの友人が
「この国にはあまりジェンダーギャップがない」
と話していた。
2023年のジェンダーギャップ指数では、スペインは18位で、女性閣僚や管理職の4割達成を進めているような国である。彼女は大学教授なのだが、給与は論文の数で変わってくるそうで、大学内でトップだという。
女性の大学教員の数が少ない日本(女性比率26.7%、2022年文部省調べ)では、女性が年収トップになることはまずないのではないかと思った。それと同時に、同時代に生きていながら、女性が不利と感じない人がいることに、衝撃を感じた。
前述のヴィンセント博士によれば、男女平等が進めば、男性にもメリットがある。
・育児休暇
・介護休暇
・柔軟な勤務
が手に入りやすくなるからだ。男性だから仕事ができないといけない、
「女性より稼がないといけない」
といったプレッシャーからも解放される。
女性を優先して採用、管理職に登用していくことが、間違っていないとわかったので、安心して男女比率5対5に進めていき、もし不都合が出てきたらそのときに対応する、くらいのスタンスで良いのだ。