英国で「交通ストライキ」頻発 なぜ7~8月に多いのか?

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イギリスでは7月、8月は交通系のストが頻発している。

今期のストの理由は何か

翌7月29日のストライキ注意喚起の掲出(画像:鳴海汐)
翌7月29日のストライキ注意喚起の掲出(画像:鳴海汐)

 いまストの理由となっているのは何だろうか。

 鉄道に関しては、ストが始まってから1年以上がたつ。やはり賃金、雇用、労働条件が争点になっている。多くの組合員は4年昇給がないと主張する。

特に10%以上のインフレが続いてきたという背景があるので(ごく最近10%を下回ったが)、インフレに応じた額の給料を希望している。

 しかし会社側は、パンデミック(世界的大流行)以降在宅勤務が増えるなどして、収入が3割減っているという現状がある。経費削減しなければ立ち行かないという状況があるのだ。

7月、8月のストが多い理由

稼働する地下鉄駅(画像:鳴海汐)
稼働する地下鉄駅(画像:鳴海汐)

 ストが続いているとはいえ、なぜ7月、8月の時期に計画されるのだろうか。

 組合側は、ストを実施する以上、最大のインパクトを期待する。現状、通勤客が減っていることから、国内外の観光客をターゲットにした。

 夏休みシーズンで、多くの家族が電車を利用する。特に海辺のリゾート地への移動が多い時期である。

労働組合RMTが定めたのは、最も混雑すると予想された3日間だった。うち2日はスポーツイベント開催で観戦にでかける人が多い日でもあった。

 ASLEFも、レジャー旅行者を対象としたので、休暇シーズンのピークの日程を設定した。

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