駅で食べる「立ち食いそば」は、なぜあんなにうまいのか? エモい目線で分析する【短期連載】令和立ち食いそばビジネス考(1)
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「駅で食べる立ち食いそばは、なぜあんなにもうまいのか?」という素朴な疑問を、定性的(数値化できない要素)な目線、定量的(数値化できる要素)な目線、経済的な目線から解き明かしていく。
地方の駅の立ち食いそばの魅力
地方駅の立ち食いそばの魅力は、何といっても地方の食文化を色濃く反映しているところだ。
そばの名産地であれば香り高いそばを楽しめるし、形状も
・細麺
・太麺
・幅広麺
とさまざまだ。もちろん、うどんにも細麺や太麺のほか、讃岐うどん、伊勢うどんに加え、名古屋のきしめんがある。
また、ダシやトッピングも地域により多種多様だ。同じメニューを全国で食べ比べる、そこでしか味わうことしかできないメニューを追いかけるなど、好みに応じて駅の立ち食いそばの楽しみ方は無限に広がるのだ。
とはいえ、
・鉄道旅行客の減少
・新幹線の開業
・後継者や働き手不足
・ファストフードなどのライバルとの競争
・新型コロナウイルスの感染拡大
など、さまざまな要因により、駅の立ち食いそばの閉店が相次いでいる。
例えば、米原駅(滋賀県米原市)の在来線ホームにあった井筒屋は、2020年5月に閉店した。井筒屋は、乗り換え客のおなかを満たしつづけ、青春18きっぷのポスターに登場となるなど、地方の駅にある立ち食いそばとして有名だった。
筆者も、青春18きっぷを利用した旅行途中で何度かお世話になったことがあり、閉店は時代の流れかとやるせなさを感じたものである。
第2回となる次回は「定量的(数値化できる要素)な目線」から、立ち食いそばを分析する。