発券機もゲートバーもない「駐車場」が万引被害を防止できた理由 気になる仕組みとは?
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スマートパークとは、ゲートやロック板をなくし、カメラで入出場した車を撮影・管理することでスムーズな入出庫を実現した、新時代の駐車場である。そのメリットとデメリットとは。
環境に優しく防犯対策にも

駐車場の管理側にもメリットがある。まず、
・ゲートバーと車両の接触事故
・故障や停電などでゲートバーが開かなくなるトラブル
もないので、管理しやすい。さらに、カメラの設置費用を差し引いても、従来のゲート式より100万円近くコストを削減できる。ほかにも、渋滞が起きないことで警備員の配置縮小など、コストカットできる部分が多い。
また、駐車券を使用しないため、紙資源の節約にもつながり、出入庫の渋滞も解消されるため、二酸化炭素の削減にもつながる。実際にスマートパークを設置するピットデザイン(東京都千代田区)のウェブサイトによると、2019~2021年の調査では、
・駐車券削減枚数:累計約4.5億枚
・二酸化炭素排出削減量:約2万t
といった結果が出ている。導入企業からは「SDGsの取り組みが推進できた」との声も寄せられているそうだ。
また、防犯対策にも一役買っている。万引犯などの車両ナンバーを登録しておけば、その車が入庫すると即時に店舗へ通知が送られ、警戒態勢をとれるのだ。これによって、ヤマダデンキ LABI1 LIFE SELECT なんば(大阪府大阪市)は導入前と比べて、盗難点数が
「22.8%」
も減少したという。また、イオンの導入店舗では連続窃盗団の車両情報を店舗間で情報共有。これを基に来店を即座に察知し、捕まえたという実績もあるそうだ。
ちなみにイオンでは
「スマートパーク未導入店舗にだけ窃盗団が来店した」
といった事象も発生しているようで、その高い防犯効果がわかる。