日本郵船ら5者がアンモニア燃料船開発へ 国産エンジン搭載 需要取り込みへの「先手」なるか

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日本郵船、ジャパンエンジンコーポレーション、IHI原動機、日本シップヤード、日本海事協会が、アンモニア燃料船の研究開発を始める。「業界の発展に不可欠」とするアンモニア船開発の背景と、将来を見据えた狙いとは。

アンモニア船開発に着手する狙い

 経済産業省の想定によると、アンモニアの年間国内船腹(船舶貨物輸送)需要は、2030年の300万トンから、2050年には10倍の3000万トンまで急拡大するとしている。5者は今後の国内を中心とする需要増の見通しを踏まえてアンモニア船の開発に着手し、世界に先駆けてアンモニア燃料船を実現。そしてエンジンや造船、輸送といったアンモニア関連需要を取り込む狙いだという。

 タグボートは、IHI原動機が主機(4ストロークエンジン)の開発、日本郵船が船舶建造や運航をそれぞれ担う。続くアンモニア輸送船は、J-ENGが主機(2ストロークエンジン)の開発、IHI原動機が補機(4ストロークエンジン)の開発、日本シップヤードが船舶の建造、日本郵船が運航をそれぞれ担当する。

 日本海事協会は、アンモニア燃料船の安全性に関する技術検証や法規制対応、国際ガイドラインの策定に向けた研究を進める。現状では、アンモニアを燃料として使うための要件(国際条約)は定められていないため、既存の条約と同等の安全性を確保する方針だが、アンモニアの毒性・腐食性・可燃性などを踏まえた安全性評価の検討や審査体制確立を進めていくという。

 記者会見では、現時点では“低炭素”のLNG船が最適な手段と考えてるが、アンモニアの燃料供給体制が整った港湾間の航路から順次、アンモニア船に置き換えていくといった展望も聞かれた。アンモニア船の本格的な普及は2030年代になる見通しだ。

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