乃木坂46メンバー主演ドラマ『トラックガール』は時代錯誤だ 若い女性をマスコット化し続ける、痛々しいまでの“昭和おじさん目線”とは
7月放送開始のドラマ

フジテレビが運営する動画配信サービスFODで、新ドラマ『トラックガール』が7月から放送される。乃木坂46の遠藤さくらさんが主演するこのドラマは、タイトルどおり、大型トラックを運転する女性トラックドライバーを描いている。
同社がプレスリリースのプラットホーム「PR TIMES」に配信したドラマ概要は、次のとおりだ。箇条書きで記す。
・本ドラマは、人生をポジティブに過ごす女性トラック運転手と、愉快な仲間たちの日常を描くハートフルコメディードラマです。
・亀尾運輸という運送会社を舞台に、主人公で女性運転手の鞍手じゅんが男社会ともいわれるトラック物流業界でたくましく働く姿と、仕事終わりに行きつけの居酒屋でその日の疲れをお酒で洗い流すという、私たちの身近にあるシーンを切り抜いた物語です。
・運送業という過酷な職場に身を置きながら、こだわりを持って働く鞍手じゅんと、そのなかで出会う人とのつながりや、運送業あるあるなど、身近にあるけれど意外と知られていないトラック物流業の仕事を紹介します。
・そして今回、このトラック物流業のなかで起こる、鞍手じゅんと個性的な仲間たちの一味変わった日常を、乃木坂46を始めさまざまなアーティストのMVや、数多くのCMを手掛ける林希がドラマ初演出します。
さまざまなメディアを最近にぎわせている「2024年問題」を始め、トラック物流業をとりまく環境はお世辞にもよいとはいえない。そのため、このようなコンテンツを通じて
「経済の血液」
と呼ばれる同業の重要性が周知されるのは、一見ポジティブなことに見える。しかし、それは問題の「本質」から目をそらしているだけにすぎない。
なお「2024年問題」とは、2024年4月以降にドライバーの年間時間外労働の上限が960時間に制限された結果、発生する問題を指す。