国交省「女性トラックドライバー」激推しプロジェクトは女性蔑視か、業界新風か? ジェンダー問題に関心を持つ女性の私があえて支持するワケ

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2014年から国土交通省が進める「トラガール促進プロジェクト」。しかし一部では批判の声もある。

トラガールの定義とトラック業界の現状

「トラガール」のイメージ(画像:国土交通省)
「トラガール」のイメージ(画像:国土交通省)

「トラガール」という言葉をご存じだろうか。これは女性トラックドライバーを意味する。

 トラック業界では、ドライバーの労働力不足や高齢化が、かねて問題となっている。働き方改革により、2024年からひとりあたりのトラックドライバーの労働時間が短く制限される。それをカバーすべく、多くの新規ドライバーが必要なのだ。

 男性ドライバーの応募が頭打ちであることから、女性に希望を見いだそうとした業界は、2014年から国土交通省と連携し、女性ドライバーを増やし、彼女らを受け入れる文化をはぐくむ「トラガール促進プロジェクト」という普及活動を行っている。

 トラガールは2021年時点で全国に約3万人いるのだが、これは全体の

「3.6%」(総務省調べ)になる。

実際、ジェンダーギャップ(男女格差)の大きい職種だ。

 一部では、トラガールという言葉が若い女性の“マスコット化”であり、女性蔑視につながりやすいという反対の声もある。

 個人的にはそれもわかるし、少々「時代遅れ」な言葉とも感じるが、ジェンダー問題に関心を持つ筆者(才田怜、ジェンダー研究家)には、あえてトラガールを支持する理由が四つある。

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