「三菱新型アウトランダー」VS「トヨタRAV4」 マーケターの私が迷わず“三菱”に軍配を上げるワケ

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2022年度の三菱自動車の売上高は2兆4581億円、営業利益は1905億円で好決算だった。その背景には何があるのか。

アウトランダーPHEV勝利の理由

RAV4PHEV(画像:トヨタ自動車)
RAV4PHEV(画像:トヨタ自動車)

 三菱のSUVでもうひとつのPHEVは、2017年にガソリン車が発売され、2020年にPHEVがラインアップされたエクリプスクロスだ。

 こちらの総航続距離は700Km強にすぎない。価格も安く、サイズも扱いやすいが、設計年度からすれば、日産・ルノー連合の影響も極めて限定的である。して決定的なのは、アウトランダーPHEVは7人仕様も選択できることだ。

 2023年1~4月期の販売台数は

・アウトランダーPHEV:4830台
・RAV4PHEV:3890台
・エクリプスクロスPHEV:2165台

となっている。

 これは日本で、新型アウトランダーを

「HVより災害に強く、BEVより給電に不安が少ないPHEV専用とした」

ことが主な要因だろう。ブランドサイトやコミュニケーションもシンプルにPHEVのよさを訴求しており、まさにマーケティングにおける「選択と集中」の成果である。

 新型アウトランダーPHEVは2024年、欧州で販売がスタートすると報じられており、ここでクルマとしての「真価」が問われるだろう。

 HVからBEVへの過渡期の製品に見えるPHEVだが、さまざまなインフラの現状を考えると、この5年は極めて現実的な選択といえる。日本だけでなく、充電ステーションの普及率が低い国ではなおのことだろう。

 競合のトヨタRAV4PHEVは部品供給が安定しないため、納車まで数か月待ちも多いとインターネット上で目にする。納期問題が解消し、今後のマイナーチェンジで急速充電にも対応する可能性もあるだろう。そうなれば、新型アウトランダーPHEVに迫る存在になるのではないか。

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