「三菱新型アウトランダー」VS「トヨタRAV4」 マーケターの私が迷わず“三菱”に軍配を上げるワケ
非常用電源としてのパフォーマンス

PHEVはHVより大きな電池を搭載し、外部からの充電や電動のみの走行も一定距離可能だ。加えて、エンジン停止中も外部へ電気が供給できる仕様が基本となる。従って、災害時には非常用電源にもなる。
もちろん災害時だけではなく、大きな電源供給が賄えることから、アウトドア派からも支持され、今や800万人ともいわれる日本のオートキャンプ市場において一定の存在感を示している。
三菱自動車はもともと、本格的な4WDのレクリエーショナル・ビークル(RV、アウトドア・レジャーに使う自動車)において、デリカやパジェロといったブランドを持ち、1991(平成3)年からオートキャンプイベントを開催していた。
コロナ禍後に再開された2022年、新型アウトランダーPHEVやエクリプスクロスPHEVを中心として、テントに横付けする形で、
「一般家庭の数日分」
ともいわれる電源供給力を披露している。
そして、初代アウトランダーPHEVにおいても、災害活動に際して各地の自治体やメデイアとの協力体制を地道に組んできたことが、多くのデータ収集に役立っている。また海外でも導入が進んでおり、なかでも2017年には、ウクライナ警察に初代アウトランダーPHEVが635台も納車されている。
競合を見てみると、トヨタでもRAV4のPHEVモデル(トヨタ車の表記はPHVだが、本稿はPHEVで統一)は加速力と実用性が好評だ。オートキャンプには不向きだと思われるプリウスにもPHEVがラインアップされている。しかし、トヨタ全体はもちろん、車種別でも販売数量や利益の主力を担うほどの比率とはいいがたい。
日本で人気の「MINI」(BMV)にもクロスオーバーPHEVがあるが、いまだマイナートラブルも少なくなく、リコール内容も含め技術的には発展途上にある。さらにレクサス、そしてボルボもPHEVをラインアップしているが、補助金の恩恵を受けても相当に高価だ。
現実的な価格帯の選択肢からPHEVを選ぶなら、三菱自動車の2車種は相当に魅力的だ。また10年にもなる販売現場でのさまざまな積み重ねが、販売店でもセールスの大きな自信となっている。