宅配便の「再配達有料化」で返品激増? ネットにはびこる間違いの数々、性悪説ばかりはイノベーションを阻む
筆者が先日書いた宅配便「再配達無料」に関する記事に寄せられた多くのコメントのなかから、批判的な指摘に対して回答する。
執筆記事へのさまざまな反応
筆者(久保田精一、物流コンサルタント)は先日、当媒体に「宅配便の「再配達無料」はもう止めるべき? ドライバーにかかる大きな負担、海外ではあり得ない日本の“サービス過多”を疑え」(2023年5月28日配信)という記事を書いた。
コロナ禍の余波で通販利用が激増した結果、宅配ドライバーにかかる負荷も増大しているが、その大きな要因は「再配達はタダ」という商慣習である。これは世界的に見ても日本独特な商慣行であることを踏まえ、当該記事では有料化へかじを切ることを提言した。
この記事に対しては、ヤフーやツイッターなどでもさまざまなコメントが寄せられた。筆者が確認した限りでは、基本的には「賛成」とする意見が目立った一方で、
・再配達が有料化されたら返品が激増する
・宅配会社の管理コストが跳ね上がる
・時間指定できないケースが不安。ギフト商品などは受け取れない
といった反論もあり、これに賛同する意見も少なくなかったようだ。
筆者はこれらの問題点も十分にクリアできると考えているが、本稿では以上の三つについて、せんえつながら「論破」していきたい。