子育て世代に「電動自転車」はコスパが悪い? 利用は数年、価格は10万以上の現実
業界の3強はヤマハ、ブリヂストン、パナソニック
電動自転車は未就学児や荷物を載せて移動する際の負担を減らすことができるため、子育て世代の必需品となっている。
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今や全国どこでも当たり前に見られるようになったが、子育て用品のなかでも高コストな部類に属することは否めない。果たして、子どもが生まれたら電動自転車は購入すべきだろうか。
電動自転車は1993(平成5)年、ヤマハ発動機が世界で初めて商品化した。当初は脚力の低下した高齢者向けを想定して開発されたが、その後、子育て世代向けの車種が開発され普及した。
最近は、通勤・通学用途の車種でも電動自転車が増えている。子育て世代向けは
・ヤマハ「パス」
・ブリヂストンサイクル「ビッケ」
・パナソニック「ギュット」
の3ブランドがしのぎを削っている。市場シェアの4割を占めるパナソニックは2019年、生産を行っている大阪府の柏原工場で15億円を投じ、ラインを増設して生産量を3割増強している。
コロナ禍で、自転車そのものが需要を伸ばしている。帝国データバンクによると2020年度の自転車販売市場は2100億円を超えて過去最高を更新し、今後も伸びが予想されている。子育て世代向けの自転車は、このコロナ特需以前より有望な最売れ筋商品だ。
ただ消費者目線からすると、子育て世代向けの自転車はコストパフォーマンスの良いものとは言い難い。前述のとおり、最大のネックは価格である。購入した場合は1台10万円以上になる。
例えばパナソニックの場合、最安の「ギュット・アニーズ・DX」で、メーカー希望小売価格15万9800円となっている。製品安全協会の基準によると、自転車の後ろ乗せチャイルドシートは1歳から小学校就学前まで利用を想定している。
しかし、実際は1歳からチャイルドシートに乗せる例はあまり聞かないし、使用するのは4年程度だ。1年あたり5万円近くの出費となると、子育て関連商品の中ではかなり高価な部類なのだ。