日産「e-POWER」燃費&価格が弱点も “オワコン”扱いは早計すぎる! 独自路線で未来を照らせるか

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日産の「e-POWER」は革新的な技術として注目を集めたが、他のメーカーは採用していない。いったいなぜか。

e-POWERのメリット

加速度と時間のグラフ(画像:日産自動車)
加速度と時間のグラフ(画像:日産自動車)

 e-POWERの魅力のひとつとして、日産は自社の2.0Lターボエンジンに匹敵するビッグトルクを挙げている。モーターは最大トルク254N・m(25.9kgf・m)/0-3008rpmを実現。そのため、加速の力強さとレスポンスが武器となっている。

 発進時から一気に最大トルクを発生するモーター特有の優れた瞬発力によって、電気自動車と同様の加速を体感させる。さらに市街地や高速道路での走行中でも、アクセルの踏み増しにレスポンスよく反応。俊敏な走りを意のままに楽しめるのだ。

 さらにアクセルオフ時に電気モーターが発電機として機能し、運動エネルギーを電気エネルギーに変換してバッテリーへ蓄電するが、このときに発生する制動力を利用して減速するため、

「ワンペダル感覚」

の走行を楽しむことができる。減速性能はチューニングされており、アクセルをゆるめた際により自然でなめらかな減速を実現している。

 またe-POWERはエンジンを発電にしか使わないというシステム上、燃費に悪影響を与える作動領域を使用しない。そのためエンジンの発電効率を向上させ、エンジンの作動時間を短縮できる。

 実際「ノートXグレード」はWLTCモードでのカタログ燃費は28.4km/hと、かなり高燃費だ。さらにごくわずかな減速でも回生エネルギー(負荷によってモータが回され、発電機となって発生した電力)を回収できるように設定されており、もちろん充電も必要ない。

 このような点から、e-POWERは電気自動車の性能と従来の自動車の使いやすさを兼ね備えた新技術といえるだろう。エンジンはバッテリーを充電し、電気モーターを動かして車輪を駆動するための電力を供給する。ドライバーは、完全電気自動車に似た加速力と外部電源からバッテリーを再充電する必要がない利便性を体験できるのだ。

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