電車内のベビーカー問題だけじゃない! 「子連れ親子の移動」に立ちはだかる社会の壁、少子化の一因にもならないか
子どもの成長に伴って訪れる、子ども連れの移動に関わる問題、いわば「モビリティの壁」について考える。
「小1の壁」はモビリティにも

「#学童落ちた」というハッシュタグ入りの書き込みがSNSに相次ぎ「小1の壁」が話題になっている。「小1の壁」は、小学校に入学した子どもが、生活や環境の変化に戸惑うことを表現することもあるが、近年は親が直面する問題を指す言葉として使われることが多い。
小学校が保育園のように親の仕事の都合に合わせてくれないので、放課後や長期休暇に子どもをどうするか、平日のPTA活動や学校行事をどうするか、小学校入学と同時に終わってしまう時短勤務にどう対応するかなどの問題が生じ、小学校入学を境に仕事と育児の両立が難しくなることを指す。
しかしこの小1の壁は、仕事と育児の関係だけではなく、さまざまなところに立ちはだかっている。また、小1に限らず、出産、入園、中1など、他のタイミングにも壁がある。筆者(島崎敢、心理学者)も3人の子育ての真っ最中だが、今回は子どもの成長に伴って訪れる、子ども連れの移動に関わる問題、いわば「モビリティの壁」について考えてみたい。