エンジン不正発覚から1年 「日野自動車」が付きつけられた“三つの課題”とトヨタへの信頼回復、行く末に希望はあるのか
大型バス・トラック等を生産する日野自動車が2022年3月、同社エンジンの排ガスと燃費に関する性能試験において、少なくとも2003年から不正を行っていたことを公表した。同社に未来はあるか。
トラック産業を待ち受ける激流

不正公表前の2020年3月期、日野の地域別シェアは、
・日本:41.8%
・アジア:33.1%
が大半を占めていた。米国は6%、欧州は1%にすぎないが、世界の規制を主導する米欧の動向は把握しておく必要がある。
トラックの脱炭素化動向

米カーボンオフセット会社の8 Billion Treesによると、運輸部門のCO2排出量は、
・乗用車:41%
・小型トラック:17%
・大型トラック:23%
と、決して少なくない。
2022年3月、欧州連合(EU)理事会は排ガスゼロ車以外の乗用車と小型トラックの販売を2035年以降禁止する法案の最終採択を加盟各国に求めたが、
「合成燃料をゼロ排出燃料として認める」
ことを求めるドイツ、イタリア、ポーランドとブルガリアの反対により、採択は無期限凍結中だ。
反対の理由は、バッテリー式電気自動車(BEV)による
・雇用喪失
・高価格
・特定国への資源の集中
への懸念だ。
大型トラックについては2022年2月、2040年に新型トラックのCO2排出を2019年比で「90%削減」し、2030年に新型市バスのCO2排出を「ゼロ」にすることを提案したが、加盟国からは、2040年は時期尚早との意見が出ている。
米国のバイデン政権は2023年1月、「輸送の脱炭素化に関する米国の青写真」を公表し、中・大型トラックに関しては、2030年までに30%、2040年までに100%を「ゼロ排出車ZEV化」する目標を掲げた。
米国はBEV、プラグインハイブリッド車(PHEV)、燃料電池車(FCV)とバイオ等の持続可能な液体燃料を用いるエンジン車をゼロ排出と定義している。