エンジン不正発覚から1年 「日野自動車」が付きつけられた“三つの課題”とトヨタへの信頼回復、行く末に希望はあるのか
大型バス・トラック等を生産する日野自動車が2022年3月、同社エンジンの排ガスと燃費に関する性能試験において、少なくとも2003年から不正を行っていたことを公表した。同社に未来はあるか。
三つの不具合の真因

日野は特別調査委員会を立ち上げ、2022年8月に調査報告書を公開した。そこで摘出された不具合の真因は、
1.みんなでクルマをつくっていないこと
2.世の中の変化に取り残されていること
3.業務をマネジメントする仕組みが軽視されていたこと
の三つだった。
技術能力ではなく、解決に取り組む「開発の姿勢と仕組み」を真因と指摘したことは、的を射ている。その詳細については、筆者(北河定保、自動車ジャーナリスト)の過去記事「日野自動車エンジン不正 「過去の栄光」「社内力学」にとらわれた機能不全企業に最後の光は差し込むか?」(2022年8月12日配信)を参照してほしい。
日野は2023年1月、国土交通大臣に対して不正を二度と起こさないための「三つの改革」を中心とする再発防止策と、その進捗(しんちょく)状況を報告した。
これらの改革案は当たり前の内容であり、日野で実践できない理由はないが、全社員に「常識」として定着するには時間がかかるだろう。管理・経営層の持続的な主導と、内外部からの厳格な監視が実現の成否を握る。