「内燃依存を払拭せよ」 トヨタEV加速で伝えなければならない4つの提言、雇用維持だけではもはや生き残れない!
トヨタ22年のBEVシェア「世界27位」

また、トヨタがBEVで出遅れているという指摘に対して、佐藤氏は
「BEVへの取り組みが遅れているという意見は、コミュニケーションの問題も。開発の現場では章男社長とBEVの会話を結構している」
と指摘。これまでも関係者やSNS上では「社内ではしっかり取り組んでいる」という旨の意見が見られたが、22年のBEVシェアは0.3%で
「世界27位」
具体的な新車種や発売時期などの情報もほとんど見えていない。会見内ではこの春に向けて具体的な発表を行うとしたが、同社のBEVに対する評価を高めるためにも、より具体的な発表に期待したい。
さらに近年はアフリカや東南アジアなどの新興国でもBEVの販売が大きく増加しており、22年の実績では南アフリカは前年から2倍、インドは前年から3倍に急増。さらにタイではテスラやBYDが受注開始から1か月以内で合計1.5万台以上を受注、23年に向けて大幅な増加が期待されている。
4つの提言

これらの要素を踏まえ、トヨタ自動車に対し、筆者から以下のような提言をしたい。
1.BEV専用プラットホームを採用したBEVを可能な限り早く発売し、トヨタブランドを含む多くの車種に展開、魅力的なBEVの選択肢を増やすこと
2.BEVを電力インフラの一部として捉え、各国のエネルギー事情に合わせるだけでなく、自らエネルギーシステムの一端を担う姿勢で臨むこと
3.車両の製造だけでなく、自ら充電インフラの整備や再エネの確保に努め、モビリティ企業として脱炭素の責務を全うすること
4.積極的にこれらへの取り組みに関する情報を発信し、化石燃料や内燃機関への依存という従来の同社へのイメージを払拭(ふっしょく)すること
同社が自負するように、国内の自動車産業は550万人の雇用を支える基幹産業である。そして自動車の8割を輸出に頼っている以上、世界の動きに合わせて柔軟に対応できなければ、雇用を維持することは難しい。
国内の自動車業界の中心ともいえるトヨタ自動車には、これまでの技術や手法にこだわらず、これからの時代が求める製品を世界に送り出してほしい。過去に「雇用の維持」だけを理由に、生き残れた技術は存在しないのだから。