「荷主にもペナルティー」 国の新方針を物流企業が能天気に喜べないワケ
トラックドライバー3分の2に減、運送会社は生き残れるか?

「ロジスティクスコンセプト2030」では、2015年の全ドライバー数76.7万人に対し、2030年には51.9万人まで減少すると試算している。単純計算で67.7%に減少。つまり2030年には、ドライバーは3分の2まで減少していることになる。
2021年3月末現在、国内運送会社6万2844社における保有車両台数において、もっともボリュームが大きいのが、10台以下の54.6%。次いで、11~20台の21.0%である。単純に考えれば、現在保有トラックが10台の運送会社は7台へ。20台の運送会社は14台に減ることになる。
だがあくまでこれは平均値であって、個々の事情は変わってくる。端的に言えば、ドライバーはより待遇の良い運送会社(賃金が高く、適正な労働時間で働くことができる運送会社)に集まり、ブラック、あるいはグレーな労働を強いている運送会社は、ドライバーを採用するのが難しくなる。ドライバーが高齢化して定年退職していくのに、新たなドライバーが採用できない運送会社も出てくるだろう。
経営改善をしようにも、保有トラック台数が少なく、経営体力の乏しい小規模な運送会社は、事業承継問題も絡み、今後廃業、あるいはM&Aされるなどで、生き残りが難しい可能性が高い。
繰り返すが、現在進められている物流効率化への取り組み(フィジカルインターネットや、高速道路におけるトラックの隊列走行、あるいは荷主へのペナルティー制度法制化など)は、輸送リソースが減少しても、「物流難民を生み出さない」、すなわち荷主と消費者のための方策が主流である。
ドライバーの減少に歯止めをかけ、ドライバー数を上昇に転じさせようという取り組みは、主流ではないのだ。
もし、2030年にドライバーが3分の2まで減少するというのであれば、その時には、運送会社の数も、現在の3分の2に淘汰(とうた)されている可能性がある。