飛行機内の「無料Wi-Fi」、実は日本が特別だった? 導入から10年、その変遷を辿る
日本発着便で機内Wi-Fiが利用できるようになって10年あまりたった。その歴史とたどる。
導入当初は不具合も近年ほぼ安定

機内Wi-Fiは導入当初に比べて、使いやすくなったと日々実感する。筆者が初めて利用したのはJAL国際線の成田発ニューヨーク行き。飛行中にクレジットカードで決済した後、最初はスムーズに接続できたが、アラスカ付近で接続が途切れたまま、二度とつながらなくなった。
そして、機内で客室乗務員に尋ね、その場で必死に調べて対応してくれたが解決できないまま、ニューヨーク到着後に問い合わせ先へ連絡。決済した金額分が、全額返金となった。数年後、ANAの羽田発パリ行きで利用した際も、シベリア上空で接続がずっと不安定だった。
一方、国内線は国際線と比べて接続が安定していると感じる。大型機だと利用者が多いのか、つながりにくいことも時々あるが、飛行時間が短く、なにより利用が「無料」である点がありがたい。機内Wi-Fiに接続するためのページが公式アプリの一番上にあるなど、使い勝手もずいぶん向上した。
今なお、多くの航空会社は、機内Wi-Fiを有料のオプションとして販売する。一方、日本国内線やジップエアのように「無料」として他社との差別化を図ったり、上空でインターネットに接続できることで利用客にアピールしたり、国内外でそんな機内Wi-Fiをめぐるビジネス戦略も垣間見られる。