給料&時間だけじゃない! 長距離ドライバーが溜め込む「大不満」の正体

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人員不足が続くトラック運送業界。ドライバーの従業員満足度を高めるにはどうしたらよいのだろうか。

ドライバーの不満は「給与」と「時間」

トラックドライバーの全体的な満足度/不満度(画像:久保田精一)
トラックドライバーの全体的な満足度/不満度(画像:久保田精一)

 調査では約20項目の「満足度」を聞いているが、不満度が高いのは

・給料の額
・給与の決め方
・勤務時間/残業時間

などである。

 よく知られているとおり、ドライバーは労働時間が他職種より2割以上長いが、その割に給料が低い。このような基礎的な労働条件の悪さが、従業員の不満を高めているのは、当然とは言え、改めて認識する必要がある。

 なお、調査結果を年齢・男女別に集計すると、特に女性ほど長時間労働への不満が強い。女性ドライバーを増やす前にまず、

「ワークライフバランスを見直す」

必要があるのは明確だ。

長距離ドライバーの「報われなさ」

距離帯別に見た全体的な満足度/不満度(画像:久保田精一)
距離帯別に見た全体的な満足度/不満度(画像:久保田精一)

 ドライバーを距離帯別に見ると、長距離ドライバーの不満の強さが際立つ。「給料」「時間」といった項目に限らず、

「ほとんどの項目で飛び抜けて不満度が高い」

のは長距離ドライバーである(図参照)。全項目は次のとおりだ。

・総合評価
・合計点/10
・定着意向(数字が大きい = 定着意向強い)
・自分の仕事に誇りを持っている
・自分は会社から頼られている
・キャリアップの見通しが明確
・会社の経営方針は評価できる
・上司は困ったときに頼りになる
・配車マンと良好な意思疎通を実現
・社内の同僚同士は、皆気軽に話ができる
・自分のペースで時間調整できる
・進めやすいよう仕事のやり方を変えられる
・引き受けたくない業務は自分の意思で断る
・給料の額
・成果給など給与の決め方
・会社から課されるペナルティ
・トラック車種や運行形態
・性別/年齢等による扱いの平等性
・勤務時間/残業時間
・休日日数
・休憩や昼食時間の取得
・荷扱い等の作業負荷
・運行時間/距離の長さ

「配車マンとの意思疎通」といった、長距離ドライバーならではの不満点も見受けられるものの、やはり根本は「給与と時間のアンバランス」だ。

 長距離の運転は過酷な長時間労働である。かつては

「長距離 = キツいが稼げる」

という図式が成り立っていたため、担い手には事欠かなかったのだが、現在は長距離・大型だからといって特段に給料が高いわけではない。

 これには即効性のある対策があるわけではないが、2024年問題を契機にキッチリと値上げを実現し、相応の給与を支払う方向で改善を進めるしかない。荷主企業も、人手不足の背景にあるドライバーの声なき声に耳を傾けていただくことを切に期待する次第である。

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