「ウーバー」「アマゾン」は配達員を軽く見ているのか? 酷使が招くビジネスモデル崩壊、元経験者も「タクシーのが楽で儲かる」の本音
Amazonでも軽貨物配送において労働者性が認められる?

経済産業省が2021年3月26日に発表した「フリーランスとして安心して働ける環境を整備するためのガイドライン」において、労働者性の判断基準として挙げられた基準は2つである。
1.「指揮監督下の労働」であること(労働が他人の指揮監督下において行われているか)
2.「報酬の労務対償性」があること(報酬が「指揮監督下における労働」の対価として支払われているか)
また、同ガイドラインでは、「自己の取引上の地位がフリーランスに優越している発注事業者が、フリーランスに対し、その地位を利用して、正常な商慣習に照らして不当に不利益を与えることは、優越的地位の濫用として、独占禁止法により規制される」としている。
ではAmazonの場合はどうか。Amazonは、Amazon Flexというスキームで、軽貨物自動車を駆る個人事業主に、商品配達を業務委託している。
筆者(坂田良平、物流ジャーナリスト)が以前執筆した記事「独立したのに超絶ブラック! 物流の救世主『軽貨物ドライバー』を辞める人が後を絶たないワケ」(2022年9月11日配信)でも指摘したが、もともと、Amazon Flexは、荷物1個160円で業務委託をしていた。Amazon Flexのドライバーは一日平均160個程度配達していたというから、1日2万5000円程度稼げていたことになる。
ところが、2020年7月ごろから、配達した荷物の数に関係なく、報酬は日額1万8000円に一方的に変更された。その上、1日の配送個数は200個を超えることが状態化しているとの話もあった(※現在は、少し沈静化しているという話もある)。
言ってみれば、報酬を30%減らしたのに、仕事量は25%アップしたということになる。この一連の経緯は、優越的な地位の濫用に当たるだろう。
さらに、Amazonの場合、配達ドライバーに対して、配達ルートを指示するスマートフォンアプリの利用を指示しているという。このアプリについて、世の中では「だから配送計画システムってまだまだ使えないんだよ」といった声も挙がっているが、筆者は違うと考えている。現在、配送計画システムの進化は著しく、指示通りに配達すれば、1日配達しても数分の誤差しか生じないようなシステムも登場し始めている。
もちろん、Amazonの配送アプリがとんでもないポンコツである可能性も全否定はできない。だが、Amazonは、「このエリアで200個の荷物を配達すれば、(例えば)12時間かかるはず」という過重労働を分かっていて、あえて貨物軽自動車運送事業者をこき使っていると筆者は考える。
そもそも、配送コストを下げたいのであれば、荷物1個の配送単価を下げれば良い。配送アプリのような、「指揮監督下の労働」を疑われるようなアプリを開発しなければ、労働者性を疑われることもなかったはずだ。
Amazonは、貨物軽自動車運送事業者のそれぞれの能力を認め、「Aさんは一日200個の配達ができるけど、Bさんは一日50個しか配送ができない。でもそれも仕方ない。だって業務委託だから」と割り切り、配送単価×配達荷物数という報酬体系を維持していれば良かったのだ。