「ちょっと月まで」 誰もが気軽に行ける日は近いのか? 夢とロマンで語る時代は終わった
一般人の月旅行が夢物語ではなくなっている。月資源の商取引も可能となった現状を解説する。
民間月面探査プログラム「HAKUTO-R」とは?

「宇宙で経済が回る世界」の実現を目指すispaceは、日本、ルクセンブルク、アメリカの3拠点で活動する宇宙スタートアップ企業だ。民間月面探査プログラム「HAKUTO-R」を進めており、独自のランダー(月着陸船)と、ローバー(月面探査車)を開発し、2024年までに月面着陸と月面探査の2回のミッションを行う予定だ。
現在進行中のミッション1では、日本の民間主導でランダーを月面に着陸させる。2021年6月から約1年かけて、フライトモデルの組み立て作業を終了し、ドイツのIABG宇宙試験施設で機能試験等を行った後、2022年10月にアメリカへ輸送。そしてついに12月11日午後4時38分ごろ(日本時間)、アメリカ・SpaceX社のロケットを使って宇宙へ飛び立った。
打ち上げ後のランダーの運用は、東京・日本橋のミッションコントロールセンターから行う。ランダーの姿勢、温度などの状態をモニタリングし、ランダーへのコマンド(指令)やデータの送信、画像や映像データの受信を行う予定で、月への着陸は2023年4月末を予定している。
さらに、ispaceは、ミッション1における事業活動計画を内閣府に提出し、11月4日、内閣府から「宇宙資源の探査及び開発の許可」を取得している。この許可により、NASAと月のレゴリス(月を覆う砂)の商取引が行われる予定だ。成功すれば、民間事業者の月面での宇宙資源の商業取引としては、世界初の事例となる。
レゴリスは非常に細かく、帯電もしやすい。宇宙服にまとわりついたり、精密機器に入り込んで故障させたりするため、非常に扱いづらいというが、今回の計画ではどのように採取する予定なのだろうか。