ブリヂストンの「月面専用タイヤ」がいかつ過ぎる! 気温差300度もへっちゃら、ゴムも空気も使わない驚きの仕組みとは
月の温度は極めて不安定だ。そんななかブリヂストンが開発した月面用タイヤに注目が集まっている。いったいどのようなタイヤなのか。
タイヤの歴史、ついに宇宙へ

人類が新しいモビリティを発明するたび、タイヤは進化してきた。そして今、月面を移動するという「人類の夢」への挑戦とともに、その歴史にも新たな一歩が刻まれようとしている。
宇宙航空研究開発機構(JAXA)とトヨタ自動車が中心となって、人類史上初の与圧空間を有した月面探査機「ルナ・クルーザー」の開発を進めている。トヨタの“ランドクルーザー顔”をしたこのモビリティは、月面での有人探査活動のためにある。まさに、地球を飛び出した「宇宙のランクル」とでもいったところか。
探査の主な目的は、月面の水を見つけることだ。水があれば燃料電池(FC)技術で燃料を作ることができ、エネルギーが供給できれば、人類が月に住めるような未来が現実味を帯びてくる。
ルナ・クルーザーの大きさは全長6mで、マイクロバス2台分ほどだ。居住空間は4.5畳程度で、ふたりの宇宙飛行士が宇宙服を脱いだ状態で滞在できる。また、探査地点間は自動運転で移動する。実にその距離、数百km単位だ。
スマートな外観はもちろんのこと、大きなタイヤも目を引く。このタイヤ、なんとゴムではなく金属製で、空気も入っていない。開発を手がけるのはブリヂストン。これまで地球上のさまざまな路面に対応してきた同社が、月面の特殊な環境に耐え得るタイヤの設計に挑んでいる。