旧車を冷遇する「自動車行政」 日本の役人は栄光の“技術遺産”を海外流出させる気なのか
歴史的価値を持ち、日本の自動車産業の“生き証人”とも言えるヒストリックカー(旧車)。しかし、国の税制は、そんな貴重な旧車に厳しいものとなっている。
歴史的価値ある車、他国では優遇措置も
そもそも環境性能を云々(うんぬん)するのであれば、1台のクルマを長く乗り続けることは、資源保護という意味でもむしろ環境への負担は少ない。
特にそれが歴史あるヒストリックカーであれば、年間の走行距離も多くはないだろうし、自動車保有全体に占める割合も微々たるものである。
そのようなクルマに対して、買い換えを促すための重課税措置など全く的外れも良いところであろう。
もちろん、環境性能に劣るクルマをできるだけ減らしたいという言い分が分からないわけではない。問題は、愛情もなくただ使われているクルマと、その存在自体に意味があるクルマとは、分けて考えなければいけないということである。
実際、欧米では多くの国で、こうした歴史的価値を認められたクルマやモーターサイクルに対しては、税制その他で何らかの優遇が図られる例が多い。
具体的には、ドイツでは製造から30年以上を経過し高いオリジナル度を維持している車両には、末尾がHのヒストリックカー専用のナンバープレートが発行され、排気量や排出ガス量などで変わる自動車税が安価かつ一律となる。
ただし、認可を得るためには何よりもオリジナルに近い状態を維持していることが重視されるため、改造車などでこの認可を得ることは難しい。
一方、イギリスでは製造から40年以上を経過、かつ30年以上改造などが行われていない車両については、日本での車検に相当するMOTが免除される。