「3輪ソーラーカー」の予約金だけで1400億円! 米Aptera Motorsの描く近未来的思考とは
太陽光を利用して走行するソーラーカーの存在にも注目が集まっている。ソーラーカーは3輪タイプの開発が進んでいる。
今後の行く末は

ソーラーカーは発展途上だ。大きな懸念となるのはコストだ。価格を下げるために大量発注がカギとなるが、ソーラーカーを大量生産するのは、技術的にも環境的にも現状難しいだろう。
世界的に見ても、再生可能エネルギー比率は最大で35.3%。日本においては18.0%。この状態でソーラーカー用太陽光パネルの大量生産を見込むのは、現状ではほぼ不可能で、安定供給のためには蓄電池などの組み合わせが必要である。その蓄電池を用意するために、付加コストがかかるのだ。
それを裏付けるように、オランダのEVメーカーLightyearが2022年11月から生産開始する世界初の量産型ソーラーカー「Lightyear 0」は、日本円で約3560万円となっている。充電なしでも数週間から数か月走行可能で、1日35km以内であれば曇りでも2か月程度はもつが、普及が予想できる金額とはいえない。
Aptera Motors、OSLOにも課題はある。Aptera Motorsはふたり乗りで、OSLOは最大時速45km。自動車に対するニーズを満たすには、両車とも不足が目立つ。
実際のところ、コストとスペックの差が大きいというのがソーラーカーの現状だろう。しかし、構想から約70年でここまできた。日本の太陽光発電導入容量は2020年時点で世界第3位、太陽光パネルのコストも低減傾向にある。政府もさまざまな方向から、再生可能エネルギーを主力電源化するための政策に取り組んでいるため、課題をひとつずつクリアしていけば、実用的な製品の開発・普及が進むだろう。
新しい試みに課題はつきもの。ソーラーカーが当たり前の時代になったあかつきには、地球環境の未来も明るいものへ変わっているだろう。