「歩行者 = 絶対正義」時代の終焉か 信号無視から歩きスマホまで、近年増加するモラルなき起因事故を注視せよ

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これまで「交通弱者」とされていた歩行者。しかし、「何があろうと自動車が悪い」というコンセンサスは覆ろうとしている。いったいなぜか。

暴走する「交通弱者」

道路を歩く人のイメージ(画像:写真AC)
道路を歩く人のイメージ(画像:写真AC)

 2022年に入り、歩行者に対する取り締まりが特に都内を中心に強化されている。これまで日本で歩行者とは「交通弱者」だった。しかし、「何があろうと自動車が悪い」というコンセンサス(合意)は、近年の歩行者事故とその違反者の増加によって覆ろうとしている。それどころかその交通弱者である歩行者の過失割合の高い事故が頻発している。

 警視庁も「なくそう歩行者事故」として歩行者側に向けて呼びかけている。

「2021年中に交通事故で亡くなられた方を状態別で見ると、全国・都内ともに歩行中の割合が最も高くなっています。特に、都内では歩行中が約47.4%と全国よりも高い割合となっています」
「都内で歩行中に亡くなられた方は63人で、そのうち半分以上の40人が65歳以上の方でした」

 2008(平成20)年ごろから、すでに交通事故の死者数は歩行中が最も多い、もしくはそれに準ずる数になっている。もちろん、交通と広義にくくれば歩行者の方が圧倒的に多く、2000年以降の高齢化社会などを鑑みれば当然の結果にも見えるが、現状はさらに進み事故の割合として最多となっている。

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