ロシアが日本の中古車「爆買い中」 15年ぶり輸出再開の港あらわる、制裁下なのに一体なぜ?
ロシアへの経済制裁が行われる一方、同国への中古車輸出は大幅に伸びている。いったいなぜか。
輸出禁止措置以降、中古車は大幅増
日本は2月のウクライナ侵攻以降、西側諸国に歩調を合わせる形でロシアへの経済制裁を行っている。ただ、ロシアとの貿易が完全に閉ざされていると思いきや、そんなことはない。ロシアにおける日本の中古車需要は一段と増しており、輸出が大幅に伸びているのだ。
その伸びは著しい。日本貿易振興機構(JETRO)が8月に発表したリポートによれば、2022年6月における日本からロシアへの中古乗用車輸出は
・金額:189億9300万円(前年同月比2.1倍)
・台数:1万7294台(同56.6%増)
となっている。なお、ロシアの中古車輸入は2022年第1四半期で全体の86.6%、第2四半期で87.4%が日本からとなっている。
日本では4月から対ロ輸出禁止措置が拡大され、600万円以上の高級自動車が輸出禁止の対象とされた。6月には輸出禁止措置がさらに拡大し「ロシアの産業で使われるモノ全般」となり、車両総重量が5t以上20t未満の中型・大型トラックやダンプカーなども対象となった(『日刊自動車新聞』電子版2022年6月11日付)。
2022年1月にロシアへ輸出された乗用車は、中古1万410台、新車4888台だった。これが禁止措置後の6月には、前述のとおり中古1万7294台。新車1台となっている。禁止措置で新車の輸出はほぼストップしたものの、対象外の中古車は輸出が66%も増加しているのだ。