日本の交通を破壊する「走行距離税」 クルマ社会・物流企業を直撃、自民・三原じゅん子氏も「課税はやばいよ」の心情か
内閣府の税制調査会で「走行距離税」が提案された。交通は「国の血流」だ。その血の流れを妨げるような行為はこの国の「死」に直結するのではないか。
車検に関わる手数料も値上げ

この国の自動車に対する課税は、すでに常軌を逸している。日本自動車連盟(JAF)の「現在の自動車税制」(2022年度、エコカー減税等対象車および特例車除く)によれば、
・自動車税(購入/環境性能割)
・自動車税(保有/種別割)
・自動車重量税
・ガソリン税(揮発油税+地方揮発油税)
と、1台の車にこれだけ課税されている。またこれに消費税が加わる状態で、いわゆる「Tax on Tax」の二重課税が野放しとなっている。
「それに車検もありますし、長く乗ったらこれも課税でしょう、本当にどうすればいいのですか」
重課制度とは、ガソリン車で新規登録から13年超、ディーゼル車が11年超で約15%、軽自動車も13年超で約20%もの自動車税が増える制度である。この国では車を大事に長く乗ると税金が掛かるようになっているのだ。
ちなみに、車検に関わる各種手数料も「道路運送車両法関係手数料令の一部を改正する政令」で、2023年1月から値上げされる。
・車検証の再交付申請手数料:300円から350円
・軽自動車の窓口申請:1100円から1500円
など、その他の新規検査の一部も値上げとなる。
理由は電子化によるシステム開発の経費の上乗せということで、コスト削減のために電子化したはずが本末転倒のような気もするが、これからシステムの維持管理も掛かると考えればずっと上がり続けるのだろう。
これにもし、走行距離税が実現しようものなら、
・買って税金
・持って税金
・乗って税金
・走って税金
・古くて税金
という、三重苦ならぬ五重苦、いやそれ以上の苦渋を日本のドライバーは強いられることとなる。もはや、自動車は生活必需品にもかかわらずだ。いや、生活必需品だからこそなのか。