日本の交通を破壊する「走行距離税」 クルマ社会・物流企業を直撃、自民・三原じゅん子氏も「課税はやばいよ」の心情か
自民・三原じゅん子議員もSNS上で苦言

また、個人事業主でネット宅配を請け負うドライバーからも心配の声が届いた。
「事業用はどうなるのでしょうか、怖いですね。ただでさえ燃料高騰で厳しいのに、走れば走るほど利益が減ることになります。荷主はもちろん運送会社も送料に走行距離税を転嫁せざるを得なくなるのではないでしょうか」
マイカーを持っていないから関係ない――とはならない。走行距離に課税されるなら、ありとあらゆる物流においても、そのコストは顧客に直接的、あるいは間接的に転嫁されるだろう。
「それに、うちら下請けや孫請けにそのしわ寄せが来たら、いずれ廃業かもしれません。日本の陸送そのものが滅びかねません」
大げさでなく「廃業」「滅びかねない」と本音で語ってくれた。実際、現在の運送業界はどこもギリギリで回している。ギリギリどころか赤字の事業者も多い。
現時点でどれだけの課税額と基準となるかは不透明だが、残念ながら国は環境性能割や重課制度同様に新たにこの走行距離税を導入するのだろう。与党自民党内からも「これは国民の理解を得られないだろう、、、!」と、元レーシングドライバーでもあった三原じゅん子議員がSNS上で懸念を示した。
千葉県で高齢の両親を在宅介護する50代の女性は「生きていけない」と訴える。
「介護のために車は欠かせません。送り迎えも含めて結構な距離を走ります。福祉施設の送迎にも転嫁されるのでしょうか。走るほど税金が掛かるなんて厳しすぎます。生きていけません」
事業ドライバーにせよ、一般ドライバーにせよ事情はそれぞれ、しかしそのほとんどが何らかの生活のために走っている。冒頭の旧友はこう付け加えてくれた。
「走行距離に課税って、歩くのに税金かけるのと同じですよ。それくらい地方で自動車は生活に必要なんです。生きていけなくなる人も出てきます」
交通は「国の血流」である。
・旅客交通
・貨物交通
・私的交通
すべてが国を動かす血流である。その血の流れを妨げるような行為はこの国の動脈硬化、すなわち「死」に直結するのではないか。