個人が宅配を始めても「ドライバー不足」は全然解消しない! そもそも「運送 = 宅配」は完全な間違いだった
トラックドライバー不足や宅配業界の苦労は広く一般の人々にも知られるようになった。その反面、物流に関する誤った認識も広がっている。宅配だけで運送を語ることは、誤解の最たるものである。
個人ドライバーは「鉄骨」を運べない
先日、某インターネットニュース番組に出演した。物流課題を議論する番組中、MCが「Uber Eats同様、個人が宅配に参入できる仕組みを作り上げれば、ドライバー不足問題はすぐに解決する」という主旨の発言を繰り返した。
「いやいや、個人ドライバーに鉄骨は運べないですよ」と諭したのだが、どうも理解してもらえなかったようだ。
このように、運送イコール宅配と勘違いしている人は、少なからずいる。
結論から言えば、宅配は運送ビジネスにおけるジャンルのひとつでしかない。確かに宅配の存在は大きいのだが、しかし宅配だけで運送を語りきれるわけではないのだ。
数字から見る「宅配」
2021年度における宅配便の取扱個数は、49億5323万個だった。
前年比で1億個以上増加(約2.4%アップ)、10年前と比べると、15億個以上増えたことになる。
ちなみに、コロナ禍による巣ごもり需要により、2020年度は前年比約12%アップの5億1,251万個も増加した。
ここでいう宅配便とは、重量30kg以下の貨物であり、メール便は含まれていない。