個人が宅配を始めても「ドライバー不足」は全然解消しない! そもそも「運送 = 宅配」は完全な間違いだった

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トラックドライバー不足や宅配業界の苦労は広く一般の人々にも知られるようになった。その反面、物流に関する誤った認識も広がっている。宅配だけで運送を語ることは、誤解の最たるものである。

4トン車ドライバーはどのくらいいるのか

物流のイメージ(画像:写真AC)
物流のイメージ(画像:写真AC)

 個人宅への宅配は通常、軽貨物自動車か2トン車(上記の普通自動車に該当)で行われる。4トン車より大きなトラックでの宅配は、通常は行わない(広い日本のことである。4トン車や大型車で宅配を行うところが絶対ないとは言い切れないが……)。

 前述の車両区分は、イコール免許の区分である。

 宅配ドライバーの中には、普通免許しか持っていない人も多い。今まで2トン車を運転していた宅配ドライバーが、個人ドライバーに仕事を奪われたからといって、世のトラックの4割を占める大型トラックは運転できない可能性が高い。

 免許は、取得した時期によって運転できるトラックの種類が異なる。

 筆者の年代は、普通免許があれば4トン車は運転できたのだが、2007(平成19)年から中型免許が新設された。中型免許が取得できるのは基本20歳以上だから、現時点で35歳以下の人は、現役トラックドライバーでも、(トラックの8割以上を占める)4トン車以上のトラックは運転できない可能性があるのだ。

 もっとも、トラックドライバーの74.3%は40代以上であり、60代以上のドライバーも17.6%存在する。高齢化が進むドライバーの現状を鑑みると、現在は2トン車しか運転していないドライバーでも、免許上は4トン車以上は乗れる可能性が高い。

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